興居島一周ラン

序列を求め、序列に従い生きる男たち、小学生も例外ではありません。
6年生になると急に態度が大きくなり、マウンティングをして、力を誇示しようとします。
年度替わりのドタバタが落ち着いてくると、序列も決まってくるようです。
安定した序列は安定した組織を作るが、変化がないと成長もない。組織としても個人としても。
固まりつつある序列を突いてやるようなイベント、『興居島ラン』、今回もK君の提案により実現しました。

5月21日(日)快晴、小学生18名と付き添いのお兄さんお母さんが高浜港に集合。
体調不良の欠席数名、来るはずだったのに姿が見えない者数名。
フェリーで朝の潮風に吹かれて、いざ興居島に上陸、気分が高まります。

まずは自転車の練習、スタンドを立てる、ブレーキ、荷物をかごに入れる。
記念撮影と脳ミソのウォーミングアップ。
『1㌔6分ペースだと時速は?』
『時速10㌔だと21㌔は何分かかる?』
発起人のK君がスラスラと答えてくれます。

スタートから4㌔は海岸沿いの平坦な道で心穏やかに走れます。
ここからが興居島名物のジェットコースターコース、急勾配とカーブの連続で苦しさと楽しさが急激にアップします。
上り坂は下を向いて小股で、下りはボールが転がるように傾斜を利用して走る、なおかつスピードを出し過ぎないように。
ランニングもキツいけど、自転車も上りは大変そうです。
集団はかなりバラバラになってしまいました。

先頭をラグビー部副キャプテンの高校生、最後尾にお母さんについてもらい、距離を刻んで行きます。
予定以上の休憩を重ねますが、なかなか集団走にはなりません。
速い者はスピードを合わせよう、遅い者は集団に食らいついて行こう、集団の力は先頭と最後尾の距離に反比例する。たぶん。

海で一休み。ドボン!島の海は透明度が違います。
もっと遊びたいけど時間が結構押してきました。K君はワイキキビーチのアメリカンスタイルで再スタートです。
最後の坂を上り、恋人峠、昨年度のサマーキャンプで行った海水浴場と小学校跡を通ります。
ラスト2㌔は各自のペースで。
㌔4分半のペースでは5名に絞られ、4年生のT君の『あ~楽しっ!』にイラっとしたキャプテンがさらにスピードを上げます。
一人、二人と振り落としていくキャプテンは優しそうな顔だけど、秘めている攻撃性はかなり高いようです。

迷子にならず、大きなケガもなく無事に全員帰って来られました。
達成感は味わえたでしょうか?
100%の力を出し切ったでしょうか?
集団の力は感じられたでしょうか?
本当はもっと集団で走り、おしゃべりをして走る楽しさを伝え、煽り合い助け合いたかったのだけど、今回は一周回って帰ってくるのが精いっぱいでした。
21.4㌔を2時間21分、㌔6分11秒ペース、累積標高は400m。
普通の小学生が走れる距離ではないのに全員完走したのはやはり個人の頑張りと集団の力。

いつもは落ちてしまうのに集団に付いて行こうと頑張った6年T君、
小指を骨折しながらも、そんなことをおくびにも出さず走ったK君、
3年前は泣きながら走ったのに今回は『楽しい!』を連発した4年T君、
膝を擦りむきながら、中指を立てながらも集団をまとめようとした6年生たち。
頑張った分だけ序列は上がったでしょうか?
仲間を見る目は変わったでしょうか?

みんなの力で興居島にきれいな周回路を描くことができました。
付き添いのお母さん、お兄さん、大変助かりました。ありがとうございます。
解散時の高浜港では早くも次回の予定の話し合い。
中島一周ラン、焼肉ランチ、自転車なし、だそうです。
参加お待ちしています!

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